①自然に存在する放射線
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私たちの周りには、太古より多くの自然放射線が飛び交っております。太陽からも放射線が降り注ぎ、宇宙空間からも放射線が到達しています。また、地球の大地からも放射線が発生しており、大気中にも、天然の放射性物質が飛んでいます。
私たち生物は、その中で、長期にわたり暮らしてきたのです。 |
②雨や雪
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天然に存在する放射能(放射線を出す能力)物質は、地球ができたときから、土の中に存在しています。土の中に存在した放射能は、ものによっては、放射線を出したのちに、大気中に出やすい物質に換わります。このような大気に出やすい放射性物質は、地面のすきまを通って、大気に出てきます。それが、大気中で、さらに放射線を出して、異なる放射性物質に換わります。これらの物質は、雨や雪の表面などに吸着して、地上に再び落ちてきます。そのため、降り始めの雨や雪には、多くの自然放射性物質が付いています。 |
③食物の中
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食べ物の中にも、天然の放射性物質は存在します。
自然界に存在する物質の多くには、同じ原子でも、放射性同位体と呼ばれる放射能を有する原子が存在します。これは、原子を作る原子核のなかの、中性子の数が異なるために、不安定な原子となっていることによります。その割合が多いか少ないかは、すでにほとんどの原子に関しては計測できています。
たとえば、カリウムは多くの食品に含まれる原子ですが、天然には0.012%の放射性物質が必ず入っています。残りのほとんどのカリウムは安定な原子です。
ですから、カリウムを含む食品をたくさん摂れば、必ず放射性物質も体内に取り込むことになります。 |
④原子炉や原子核実験施設から
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放射性物質は、私たちの産業活動からも、時として発生することがあります。今回の福島原子力発電所の事故や、他の原子炉における微量放射能の漏えいなどです。ここで出てくる放射性物質は、天然で発生する物質とは異なっています。たとえば、原子炉では、今回、話題の中心となっている「ヨウ素」や「セシウム」などがあります。その他、さまざまな放射性物質が出る可能性はありますが、何が放出されたかは、その際の放出の状況によっ変わります。 |